内側と外側
親知らず抜歯のために1週間ばかり入院した。
入院中、病院の内側と外側では時間の流れ方が違うように感じた。
院内の入院患者は、それぞれの不自由さを抱えながらゆっくりと闘病・療養生活を送っている。退院の日を心待ちにしながら。
しかし、病室の窓から外を眺めると、ひっきりなしに車が走り、小田急線の踏切の音が聞こえてくる。人々がせわしなく動いているのが分かり、そのスピード感に少しばかり圧倒される。
私の親知らず抜歯の手術は他の入院患者の病気やケガに比べたらさほど大した治療ではなかった。
それでも、
「はやく外側に戻りたいー。」
そう、強く思った。
できることなら、入院なんてしたくない。
健康が1番だ。
どんなに不遇な目に遭っても、身体と心が丈夫なら何とか乗り越えていける気がする。
私や私の大切な人たちが、ずっと健康で、外側の世界で生きていけますように。